上諏訪温泉 片倉館 |
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大正から昭和にかけて、諏訪の製糸業で隆盛を誇った片岡財閥が、従業員や地元住民の福利厚生のために造った浴場。 1928(昭和3)年10月竣工の温泉浴場棟は、鉄筋コンクリート2階建て。3つの尖塔や切妻屋根を組み合わせた個性的な外観だが、それらが違和感なく調和しているのは建築家森山松之助氏の優れた才能によるものだろう。 高い天井の館内には赤絨毯(---一部擦り切れてはいるが...)が敷き詰められ、格調ある雰囲気である。ひと風呂浴びるというより、襟を正してお湯を頂きに来たという感じ。 やはり高さ方向の空間を贅沢に使った浴室には、ステンドグラスがはめ込まれ、大理石の彫刻が置かれている。床は市松模様のタイル張りで、これまたクラシックなイメージ。これと同じような浴室はどこかのスーパー銭湯でも見たような気がするが、80年の長きにわたって使い込まれて来た風格は、他に例をみない。 千人風呂と称する主浴槽は、幅約4m×長さ約7.5m。深さが約1.1mあり、立ったままでの入浴となる。底全体に玉砂利が敷かれていて、足の裏への刺激が心地よい。 湯口からは透明なお湯がじゃんじゃん流れ込んでいるが、さすがにこれは循環だろう。しかし、少なからぬオーバーフローがあるから、お湯の鮮度は温泉の名に恥じないものだと思う。 かつて、スチームバスが置かれていた一角は、ラドン浴室になっている。こちらは源泉かけ流しだそうで、千人風呂より人気が高いようであった。 2階は、畳敷きの休憩室になっていて、軽い食事を摂ることもできる。別料金を払えば、個室での休憩もOKとのこと。 歴史的な温泉浴場として、一度訪ねられることをお勧めしたいと思う。 お気に入り指数:★★★★☆
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制作:2006年9月17日 修正:2006年9月29日