川棚温泉 小天狗

 約800年前に発見されたという川棚温泉は、『北九州の奥座敷』とも称される静かな温泉地である。JR山陰線川棚温泉駅から車で5分くらいのところに、10軒ほどの旅館が集まった小さな温泉街がある。

 日帰り入浴施設としては、元湯にあたる温泉銭湯『ぴーすふる青竜泉』が知られているが、隣接する自家源泉所有の温泉旅館でひと風呂浴びることにした。

 小天狗は、1930年創業の老舗。立派な構えの玄関を入ると帳場があって、ここで入浴料600円を払う。ヨレヨレのGパンにリュックサック---一見して温泉旅館の客ではないと分かる私にも、仲居さんが浴場の場所や貴重品の保管方法を丁重に説明してくれた。
 最近、改装したとのことで、多くのサイトで紹介されている鉄筋コンクリートの建物や温泉プール(?)は、今は使用されていないようである。

 サウナがついた浴場と露天風呂つき浴場があり、21時30分に男女が入れ替えとなる。この日の昼間は、前者が男湯となっていた。

 タイル張りの浴槽が2つあり、無色透明のなめらかな湯が贅沢に溢れている。吸い込み口があったので、ワタシ流に言うかけ流しではないが、お湯の鮮度は極めて高いであろう。脱衣場に掲げられた分析書によれば、『極微硫化水素臭、塩味』とのことだが、匂いや味はほとんど感じなかった。もちろん、無粋な塩素臭は皆無。

 無色透明の湯がひっそりと湧く、典型的な"山口の温泉"であった。

お気に入り指数:★★★☆☆

施設DATA
温泉名 川棚温泉
施設名 小天狗
施設の種別 旅館
所在地 〒759-6301 山口県下関市豊浦町大字川棚5153(→地図)
電話番号 0837-72-0215
公式・参考サイト 川棚温泉 小天狗旅館
豊浦町観光協会
営業時間 11:00〜21:00(日帰り入浴受付時間)
料金 大人:600円、小人:500円
無料の備品 ボディーソープ・シャンプー・ドライヤー
浴場施設 内湯、サウナ、打たせ湯(当日、私が入った浴室)
駐車 可能
入浴日 2006年6月25日
備考 <0220>

温泉DATA
源泉名 小天狗泉(豊浦郡豊浦町大字川棚5153番地の2)
泉質 含弱放射能-ナトリウム・ナトリウム-塩化物温泉
泉温 43.7℃(気温:25.0℃)
湧出量 250L/min(自噴・135m)
知覚的試験 無色澄明、極微硫化水素臭、塩味
pH値 8.3
ラドン 40.8×10-10キュリー
密度 1.000g/cm3(20℃)
蒸発残留物 1.959g/Kg
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 1.707g/Kg
分析年月日 1988年6月3日
情報源 脱衣場の掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
リチウムイオン 0.2
ナトリウムイオン 331.3
カリウムイオン 11.8
マグネシウムイオン 0.9
カルシウムイオン 280.5
マンガンイオン 0.2
陽イオン合計 624.9
陰イオン mg
フッ素イオン 1.3
塩素イオン 971.6
水硫イオン 0.1
硫酸イオン 47.0
炭酸水素イオン 10.1
炭酸イオン 3.4
陰イオン合計 1033.5

非解離成分 mg
メタケイ酸 46.2
メタホウ酸 2.2
非解離成分合計 48.4
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 28.4
溶存ガス成分合計 28.4

 


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制作:2006年6月27日 修正:2006年7月1日