あのう温泉 津市安濃交流会館


源泉浴槽

 三重県津市(旧安芸郡安濃町)にある公営日帰り入浴施設。

 と言っても、目立つ看板は一切ないから、『たまたま通りがかって入浴した』という温泉ファンは皆無であろう。津市安濃庁舎の向かいにある、箱形の鉄筋コンクリートの建物がそれである。昨春(2005年)に温泉を掘り当て、浴場を増設したらしい。

 POPな色調の清潔な浴室には、タイル張りの主浴槽がひとつ。わずかに黄緑色を帯びた湯が満たされている。口に含むと、相当な塩味とわずかな金気を感じる。鈴鹿山脈の東側一帯には、豊富な湯量を誇る温泉が多いが、大半はあっさりした単純温泉なので、その個性は際立っている。

 家庭風呂程度の狭いものだが、源泉浴槽があったのには驚いた。何の手も加えない、茶色く濁った源泉がそのまま掛け流しになっている。泉温が低いので完全な水風呂だが、温泉ファンにとっては非常に好印象だ。

 いつまでも汗が引かない、食塩泉特有のしっかりした浴後感がある。舞台つきの大広間が開放されているので、ゆっくり横になって火照りを冷ますといいだろう。
 冷たい飲み物の自販機はあるが、飲食施設はない。地元で発掘された土器や古い農具などを展示する歴史資料館(無料)も併設されている。 

 まったくと言っていいほどPRされていないせいか、訪れる人は非常に少ないようだ。日曜の昼さがり、約1時間の入浴は完全貸し切り状態であった。中勢地区では、ちょっとした穴場と言えると思う。

 2006年元旦、旧津市と周辺9市町村が対等合併して新しい津市が誕生した。面積約711Km2、伊勢湾沿岸から奈良県境までを市域とする広大な新県都で、旧来の地理しか頭にない私にとっては、めまいがしそうだ。

お気に入り指数:★★★★☆

施設DATA
温泉名 あのう温泉
施設名 津市安濃交流会館
施設の種別 日帰り入浴施設
所在地 三重県津市安濃町東観音寺51-3(→地図)
電話番号 059-268-5833
参考サイト 津市 - 津々うらうら・24 TSU.web
営業時間 10:00〜21:00(最終受付 20:30、毎週木曜日定休)
料金 一般(13歳以上):300円、こども(3〜12歳):150円
※再入浴可
無料の備品 ボディーソープ・シャンプー・鍵つきロッカー・ドライヤー
浴場施設 内湯、源泉浴槽
駐車 可能
入浴日 2006年6月11日
備考 <0216>
非加水・循環・加熱・消毒剤使用

温泉DATA
源泉名 あのう温泉(湧出地:三重県安芸郡安濃町大字東観音寺字北浦678番地1)
泉質 ナトリウム-塩化物温泉[低張性-弱アルカリ性-温泉]
泉温 38.0℃(気温:7℃)
湧出量 167L/min(掘削による動力揚湯)
知覚的試験 ほとんど無色澄明、塩味・鉄味を有す。
pH値 7.7
ラドン 未測定
密度 1.0026g/cm3(20℃/4℃)
蒸発残留物 6.010g/Kg(乾燥温度:180℃)
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 6.117g/Kg
分析年月日 2005年3月15日
情報源 ロビーの掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
リチウムイオン 0.1
ナトリウムイオン 2068
カリウムイオン 16.3
マグネシウムイオン 36.4
カルシウムイオン 185.1
ストロンチウムイオン 4.5
バリウムイオン 4.7
マンガンイオン 0.1
鉄(II)イオン 2.7
陽イオン合計 2318
陰イオン mg
フッ素イオン 0.5
塩素イオン 3432
臭素イオン 9.6
ヨウ素イオン 1.7
硫化水素イオン 0.05
硫酸イオン 1.2
リン酸水素イオン 0.1
炭酸水素イオン 223.3
陰イオン合計 3668

非解離成分 mg
メタケイ酸 22.6
メタホウ酸 108.1
メタ亜ヒ酸 0.4
非解離成分合計 131.1
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 6.7
遊離硫化水素 痕跡
溶存ガス成分合計 6.7

 


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制作:2006年6月11日 修正:2006年6月12日