瀬波温泉　ゆ処そば処磐舟

　瀬波温泉は、1904年春、石油掘削中に突然噴出した温泉で、粟島を望む日本海沿いの風光明媚な地に、大きな旅館や企業の保養所などが集まっている。

　日帰り主体の入浴施設は2か所あり、このうち、海が見える『ゆ処そば処磐舟』に立ち寄った。向かいにある旅館の経営だときく。

　長い階段を登りきったところに、こぎれいな浴場がある。内湯と露天、2つの浴槽があるが、いずれも、美しい日本海を眺めながらの入浴が楽しめる。
　どの浴槽も掛け流し。88℃という高温泉のため加水されているようだが、弱い硫化水素臭のある温泉らしい湯で、口に含むと弱い塩味を感じた。

　風呂上がりは、そば処で昼食をとった。目玉のそばに当地特産の鮭のそぼろ飯・はらこがついたセットを注文したが、値段の割に旨くてボリウムがあり、満足した。

　食事のあとは街を散策。少しは身体を動かさないと、つかって食べるだけの、クルマでの温泉巡りは健康に有害である。

　温泉街には、何軒かの土産物屋が盛業中。温泉まんじゅうを蒸す湯気が立ちのぼり、なかなか活気がある。
　開湯100周年を記念して2004年に新設された足湯脇の坂道を登ると、温泉櫓が建っていた。もうもうと立ち上る湯気。高温泉がほとんどない関西の温泉ファンには、心躍る光景である。温泉街には、このような源泉が10か所余りあって、豊富なお湯が各施設に供給されているという。
　櫓の傍らには木製の箱があり、湯気が出ている。何かと思って蓋を開けたら、卵がお湯に浸かっていた。誰でも利用可能な"温泉卵製造所"。なかなか面白いアイデアだ。

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