きいながしま 古里温泉 |
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国道42号線は、紀伊半島をぐるりと半周する幹線道路である。 起点に近い松阪から、宮川に沿ってその上流へと向かうが、道路の両側に深い山々が迫ってくるといよいよ荷坂峠だ。分水嶺に穿たれたトンネルを抜けると、右手眼下にはっと息をのむ光景が広がる。きらめく熊野灘とリアス式海岸---国道42号線は観光客のためだけに造られたわけではないが、南紀に来たことを実感できる素晴らしい演出だと思う。 さて、その峠から海に向かって駆け降りたところが紀伊長島。昨年(2005年)10月、隣の海山町と合併して紀北町となった。漁業とマリンレジャーの町だが、ここにも温泉が湧いている。 きいながしま古里温泉。観光客を意識した命名かと思ったが、"古里"は温泉がある場所の地名でなのであった。 国道に大きな標識があり、それに従って脇道に入って数分のところに、切妻屋根のシンプルな建物が2棟ある。ひとつは管理室と休憩室、もうひとつは浴場で、両者は渡り廊下で結ばれている。1996年に改築されたものらしく、内部はまだ大変に奇麗である。 浴場はこぢんまりとした造りで、周囲が木張りの内湯と、石張りの露天風呂があるだけだ。ロビーに掲げられた温泉成分表示では、pH:8.74、溶存物質:1.481g/Kgのかなり純粋な重曹泉となっている。相当のぬめぬめ感があるのではないかと期待したが、思ったほどではなかった。私が訪れたとき、浴場は芋の子を洗うような混雑ぶりであったから、あるいは、循環式のお湯の鮮度が落ちていたのかも知れないと思う。 木の質感を活かした休憩室には、畳敷きの休憩スペースもあって、ゆっくり休むことができる。飲食設備はないが、飲み物の自販機が何台も置いてある。 国道42号線からすぐの場所なので、南紀への行き帰りにさっとひと風呂浴びるにはいいかも知れない。 お気に入り指数:★★★☆☆
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制作:2006年2月11日 修正:2006年2月19日