奴留湯温泉 共同浴場 |
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阿蘇から別府にかけての山あいには、それこそ無数の温泉が点在している。 カラスの行水みたいな入浴で数をこなすのなら話は別だが、私のように1湯に少なくとも30分をかけてじっくり賞味するならば、全部の温泉地を回るにはゆうに1週間は必要だろう。 熊本県小国町から大分県九重町に通じる国道387号線から、ほんの少し入った小さな集落の中に、鉄筋コンクリートの湯屋がある。打ちっ放しのコンクリート壁と瓦屋根がマッチした現代的センスの建物である。管理人は常駐せず、組合員以外の入浴者は、"賽銭箱"に規定の料金を自主投入する仕組み。 浴室の扉を開けたとたん、鼻腔をくすぐる芳しい硫黄臭を感じた。石張りの端正な浴槽が2つあり、無色透明の湯が音もなく、しかし、信じられない位大量に溢れている。 掛かり湯をしてさっそく湯船に飛び込む。泉温:38℃。その名のとおり、体温よりわずかに高い温度のぬる湯で、湯と身体がひとつになったような入浴を楽しめる。 毎年、10月1日から5月30日までの夜間帯(15:30〜21:30)に限り、加温されるとのこと。 お気に入り指数:★★★★★ |
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旅の情報 |
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奴留湯温泉の近くには、優雅なコンクリートアーチ橋が遺されている。1984年11月末に廃止となった旧国鉄宮原線(みやのはるせん)の廃線跡だ。
久大本線の恵良駅から熊本県小国町に至る全長26.6Kmの"盲腸線"で、末期には1日たった3往復の列車が走るだけの閑散区間になり果てていた。 あと10年、生きながらえていたならば、今頃は温泉巡りのトロッコ列車が走る観光路線として脚光を浴びていたかもしれないと思う。 |
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制作:2005年10月6日 修正:2006年1月16日