奴留湯温泉 共同浴場


驚くべきオーバーフロー


共同浴場前の通り

 阿蘇から別府にかけての山あいには、それこそ無数の温泉が点在している。

 カラスの行水みたいな入浴で数をこなすのなら話は別だが、私のように1湯に少なくとも30分をかけてじっくり賞味するならば、全部の温泉地を回るにはゆうに1週間は必要だろう。
 温泉ファンにとっては、パラダイスとも言うべき一帯だが、残念なことに、今回の九州温泉旅行でこの地域に費やせる時間はたったの半日しかない。
 そこで、多くの温泉ファンのホームページで高い評価を得ている奴留湯温泉に入ってみることにした。

 熊本県小国町から大分県九重町に通じる国道387号線から、ほんの少し入った小さな集落の中に、鉄筋コンクリートの湯屋がある。打ちっ放しのコンクリート壁と瓦屋根がマッチした現代的センスの建物である。管理人は常駐せず、組合員以外の入浴者は、"賽銭箱"に規定の料金を自主投入する仕組み。

 浴室の扉を開けたとたん、鼻腔をくすぐる芳しい硫黄臭を感じた。石張りの端正な浴槽が2つあり、無色透明の湯が音もなく、しかし、信じられない位大量に溢れている。

 掛かり湯をしてさっそく湯船に飛び込む。泉温:38℃。その名のとおり、体温よりわずかに高い温度のぬる湯で、湯と身体がひとつになったような入浴を楽しめる。
 湯船の底には、子供のあたま位の石が敷かれているので、気をつけないと足を取られるかも知れない。恐らく、湯船の底から温泉が湧く足下湧出だろう。

 毎年、10月1日から5月30日までの夜間帯(15:30〜21:30)に限り、加温されるとのこと。

お気に入り指数:★★★★★

施設DATA
温泉名 奴留湯温泉(ぬるゆおんせん)
施設名 共同浴場
施設の種別 日帰り入浴施設(共同浴場)
所在地 〒869-2505 熊本県阿蘇郡小国町北里2284(→地図)
電話番号 ----
参考サイト 小国町ホームページ
営業時間 不明
"高校生および中学生の男子生徒の22:00以降の入湯は禁止"(浴場の掲示による)
料金 大人:200円、小人:100円
無料の備品 特になし
浴場施設 内湯
駐車 可能(乗用車20台)
入浴日 2005年9月25日
備考 <0177>

温泉DATA
源泉名 ---
泉質 硫黄泉
泉温 38℃
湧出量 ---L/min
知覚的試験 ---
pH値 ---
ラドン ---×10-10キュリー
密度 ---g/cm3
蒸発残留物 ---g/Kg
溶存物質総計(ガス性のものを除く) ---g/Kg
分析年月日 ---
情報源 浴室の掲示
1Kg中の成分

温泉成分に関する詳細表示なし。

 旅の情報

 奴留湯温泉の近くには、優雅なコンクリートアーチ橋が遺されている。1984年11月末に廃止となった旧国鉄宮原線(みやのはるせん)の廃線跡だ。

 久大本線の恵良駅から熊本県小国町に至る全長26.6Kmの"盲腸線"で、末期には1日たった3往復の列車が走るだけの閑散区間になり果てていた。

 あと10年、生きながらえていたならば、今頃は温泉巡りのトロッコ列車が走る観光路線として脚光を浴びていたかもしれないと思う。


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制作:2005年10月6日 修正:2006年1月16日