小浜温泉 脇浜共同浴場

 標高700mの雲仙を擁する長崎県小浜町(2005年10月11日をもって周辺6町と合併し、長崎県雲仙市になる予定)には、もうひとつの温泉地がある。
 橘湾を望む海辺の温泉・小浜温泉である。人口1万人強の小さな町に、これほど性格の異なる温泉地があるのも珍しい。

 雲仙が高級洋風リゾートであるとするなら、こちらは庶民的な日本の温泉地である。狭い通りの両側に小さな温泉旅館や飲食店が建ち並んでいる。
 外来入浴可能な公衆浴場は3か所あり、このうちもっとも鄙び系とされる脇浜共同浴場に入ってみることにした。

 ご覧のとおり、古い農業倉庫を思わせるような外観で、それが温泉浴場であるという目立った表示は一切ない。
 脱衣場も古色蒼然とした雰囲気で、まるで半世紀前にタイムスリップしたかのようだ。

 大きなタイル張りの浴槽があり、触れば間違いなく火傷しそうな高温の源泉がドバドバ注がれている。もちろん、これだけでは熱くて入れないから、大量の水も同時に注がれる。透明な湯だが、口に含むと恐ろしく塩辛い。

 小浜は海に近い場所だから、(海水由来の塩分を含んだ)食塩泉が湧く...と思っていたのだが、実はそうではないらしい。入浴に先立って、雲仙にある雲仙お山の情報館を見学したのだが、その展示によると、小浜温泉に含まれるNaClは、地底深くにある高温のマグマに由来するものなのだという。
 このほか、たとえば橘湾はじつは巨大なカルデラであったというような興味深い知識を得ることができる。入場無料なので、ぜひ訪問されるとよい。

お気に入り指数:★★★★★

施設DATA
温泉名 小浜温泉
施設名 脇浜共同浴場
施設の種別 日帰り入浴施設(共同浴場)
所在地 長崎県南高来郡小浜町南本町7(→地図)
電話番号 0957-74-3402
参考サイト 小浜温泉観光協会
営業時間 06:00〜21:30
料金 大人:150円、小人:70円、幼児:30円
無料の備品 特になし
浴場施設 内湯
駐車 可能
入浴日 2005年9月23日
備考 <0172>

温泉DATA
源泉名 (判読できず)
泉質 食塩泉
泉温 97℃(使用位置:85℃)
湧出量 ---L/min
知覚的試験 ---
pH値 ---
ラドン ---×10-10キュリー
密度 ---g/cm3(20℃/4℃)
蒸発残留物 ---g/Kg
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 11.367g/Kg
分析年月日 1958年10月27日
情報源 脱衣場の掲示
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
ナトリウムイオン 3289.
カリウムイオン 194.6
アンモニウムイオン 2.28
マグネシウムイオン 405.8
カルシウムイオン 252.6
マンガンイオン 3.37
鉄イオン 0.707
陽イオン合計 4148.
陰イオン mg
塩素イオン 6194.
臭素イオン 20.07
ヨウ素イオン 0.357
水酸イオン 0.005
硫酸イオン 807.9
炭酸イオン 0.135
ヒドロケイ酸イオン 0.802
ヒドロ炭酸イオン 68.65
陰イオン合計 7096.

非解離成分 mg
メタケイ酸 123.0
メタ亜ヒ酸 痕跡
非解離成分合計 ---
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 4.986
遊離硫化水素 痕跡
溶存ガス成分合計 ---

 旅の情報

 橘湾に面する小浜温泉には、地元で採れた新鮮な魚介類を食べさせる店が多いのは言うまでもない。
 けれども、もうひとつ、意外な名物がある。小浜ちゃんぽんだ。
 地元観光協会のHPによると、長崎から小浜温泉に静養にやってきた客の昼食として広まった。今では、ちゃんぽんとは何の関係もなさそうな寿司屋や小料理のお品書きにも載っているという。

 遅めの昼食を摂るため、ある日本料理店に入ったら、メニューにちゃんぽんがあった。
 まろやかな白濁スープにたっぷりの野菜と海鮮。なかなかイケる味である。お試しあれ!!


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制作:2005年10月2日 修正:2005年10月2日