渋温泉 外湯めぐり


外湯の鍵

 渋温泉には、9つの外湯がある。

 料金は不要だが、入浴できるのは、原則として地区の旅館の宿泊者のみ。旅館にチェックインすると、大きな木札のついた外湯の鍵を貸してもらえるので、これを手に温泉街を巡る仕組みである。

 さて、その外湯だが、同時に4〜5人程度しか入れない小規模なものがほとんど。
 夕食前の時間帯はどこも混み混みで、入浴の順番待ちが出来るほどだ。もちろん、源泉かけ流しだが、入浴者が多すぎて、お湯の鮮度はいまひとつの印象をもった。

 そこで、温泉ファンの皆様には、翌朝の入浴をお勧めしたいと思う。誰もいない浴場で、新鮮な湯を満喫できるに違いない。

施設DATA
温泉名 渋温泉
施設名 (外湯)
施設の種別 日帰り入浴施設(共同浴場)
所在地 〒381-0401 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏
電話番号 --------
公式・参考サイト 渋温泉旅館組合
営業時間 24時間。但し、原則的に深夜の入浴は不可の模様。
料金 無料(ただし、旅館宿泊者のみ)
無料の備品 特になし
浴場施設 内湯
駐車 可能
入浴日 2005年9月18日・19日
備考 <0164>

初湯

 鉄筋コンクリート造の湯屋だが、浴室部分はご覧のとおり木製で、なかなか風情がある。

 灰色に濁った湯は、口に含むとかなり強い金気を感じた。浴槽は3〜4人も入ればいっぱいになる割と小さなもの。

お気に入り指数:★★★★☆


笹湯

 昔は、笹薮の中から湯が湧いていたのでこう呼ばれるようになったのだという。

 木造モルタルの簡素な建物で、浴室は定員2〜3人のタイル張りの浴槽がある。洗い場が狭いので、ここは湯につかるだけの場所と割り切ったほうが良さそうだ。

お気に入り指数:★★★☆☆


綿の湯

 温泉街のもっとも西にある外湯。

 男女別に2つの唐破風の庇がついた立派な湯屋建築である。

 しかし、内部は意外とシンプルな造りで、石張りの浴槽がひとつあるだけだ。透き通った滑らかな湯が掛け流しにされている。

お気に入り指数:★★★☆☆


目洗の湯

 ちょっと面白い名前の外湯だが、昔から多くの人がこの湯に浸かって眼病を治したことから、その名がついたとされている。

 今日、中途失明の最大の原因は糖尿病だが、昔は感染症による失明が多かったらしい。あるいは、格別の殺菌効果があるのだろうか。

 ご覧のとおり、内部は木張りの風情ある浴槽で、わずかに湯の花が舞う透明な湯が掛け流しになっている。
 大きめの湯船で、10人くらいは同時に入れそうだ。

 私が入った外湯のなかでは、大湯についで気に入ったお風呂。

お気に入り指数:★★★★☆


七繰の湯

 私が入った外湯の中では、もっとも生活臭があったお風呂。

 入口は、観光客向けにそれらしく装っているが、建物事態はシンプルな鉄筋コンクリート造。
 内部の浴室も清潔なタイル張りで、一般家庭のお風呂のようでもある。脱衣場には、日常的に利用している近所の人の持ち物であろうか、シャンプーの容器が置かれてた。

 お湯はきれいに透き通ったサラリとしたもの。温泉成分に関する表示は特になかった。

お気に入り指数:★★★☆☆


大湯

 温泉街の中心にある元湯。

 半地下式と言うべき構造で、温泉街のメインストリートと同じレベルの屋上は、誰でも利用可能な足湯になっている。

 建物の真下から自噴する源泉をそのまま使っているのだそうで、浴場の隅にある湯桶にはボゴボゴと高温の湯が噴き出している。かなり強い硫化水素臭があり、口に含むと強い金気を感じた。

 他の外湯とは比べ物にならない位大きな木製の浴槽があって、半分ずつに仕切られている。湯口に近いほうは結構熱い。

 渋温泉の外湯は、それぞれに個性があるが、もし、ひとつだけ入るとするならば、やはりここであろうと思う。

 高温の源泉を利用した蒸し風呂もある。

お気に入り指数:★★★★☆


温泉DATA
源泉名 荒井河原比良の湯
泉質 ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉[低張性-弱酸性-高温泉]
泉温 75.7℃(気温:29℃)
湧出量 ---L/min
知覚的試験 無色透明、弱鉄味を有する。
pH値 4.3
ラドン ---×10-10キュリー
密度 1.0008g/cm3(20℃において)
蒸発残留物 1.076g/Kg
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 1.1453g/Kg
分析年月日 1998年10月19日
情報源 脱衣場の掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
水素イオン 0.1
ナトリウムイオン 176.1
カリウムイオン 18.6
マグネシウムイオン 10.1
カルシウムイオン 109.0
アルミニウムイオン 2.8
マンガンイオン 0.5
鉄(II)イオン 1.4
陽イオン合計 318.6
陰イオン mg
フッ素イオン 0.9
塩素イオン 250.1
硫酸水素イオン 0.6
硫酸イオン 375.7
第一リン酸イオン 0.2
陰イオン合計 627.5

非解離成分 mg
メタケイ酸 140.1
メタホウ酸 58.7
メタ亜ヒ酸 0.4
非解離成分合計 199.2
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 51.0
溶存ガス成分合計 51.0

 温泉成分や適応症の詳細を掲示してある外湯は少なかった。ここに掲げたのは、初湯にあった温泉分析書。 


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制作:2005年9月27日 修正:2005年10月2日