野沢温泉 外湯めぐり


野沢温泉街


麻釜
高温の温泉を満たした水槽で、
村の人達が野菜や卵を茹でにくる。

 野沢は、スキーでもその名が知られた温泉地である。

 規模の大きな温泉旅館は少なく、スキー宿を兼ねた小さな旅館や洒落た造りの民宿がほとんどなので、温泉街の雰囲気もちょっと独特のものがある。

 ここ10年ほどは、スキーからも遠ざかっているので、雪のない季節に温泉だけを賞味しに行った。

 野沢温泉の"名物"は、湯仲間という住民組織によって維持・管理されてきた13の外湯で、旅行者も無料で入浴することができる。

 時間の都合で2つしか入れなかったが、いずれの外湯も観光客の利用を意識してか、手入れも行き届いていて気に入った。(ただし、どの湯も恐ろしく熱い!)

施設DATA
温泉名 野沢温泉
施設名 (外湯)
施設の種別 日帰り入浴施設(共同浴場)
所在地 〒389-2502 長野県下高井郡野沢温泉村
電話番号 --------
公式・参考サイト 野沢温泉村観光公式ページ
野沢温泉観光協会
営業時間 24時間。但し、原則的に深夜の入浴は不可の模様。
料金 大人:0円、小人:0円 (浴場入口に"賽銭箱"あり)
無料の備品 特になし
浴場施設 内湯
駐車 可能
入浴日 2005年9月18日
備考 <0163>

大湯

 温泉街の中心にある外湯。その名のとおり、野沢温泉のシンボル的存在である。

 温泉ファンの目を釘付けにするのは、その外観だ。
 建物自体は最近改築されたもののようだが、新建材などを一切使わない重厚な湯屋建築である。

 扉を開けて中に入ると、強い硫化水素臭が漂っている。
 独立した脱衣場はなく、洗い場の一部にスノコが敷かれ、そこで着替えをする。

 大きな木製の浴槽がひとつあって、それが半分に仕切られている。手前が"ぬる湯"、奥が"あつ湯"となっているが、関西人の私にとっては、"ぬる湯"ですら十分に熱く、3分と入ってはおられない。せっかくだから...と"あつ湯"にも挑戦したが、右足を5cm浸けただけで退散した。

 お湯自体は、僅かに白い湯の花が舞う透明なもの。さっぱりした浴後感が印象的であった。

お気に入り指数:★★★★☆


横落の湯(よこちのゆ)

 民宿組合案内所の階下にある外湯。よーく探さないと見落としてしまいそうである。

 一般的な浴場のように、脱衣場と浴室が仕切られた構造になっている。

 浴室には、近代的な感覚の石張り浴槽がひとつ。
 そこに満たされる透明なお湯は、心地よい硫化水素臭を伴なうが、しかし、暴力的に熱い。
 『郷に入れば郷に従え』の格言を思い浮かべながら、じっとガマンしたけれど、私には1分が限界であった。

お気に入り指数:★★★★☆


温泉DATA
源泉名 茹釜・下釜混合(湧出地:長野県下高井郡野沢温泉村大字豊郷)
泉質 含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉[低張性-アルカリ性-高温泉]
泉温 81.9℃(気温:2℃)
湧出量 ---L/min
知覚的試験 無色透明、弱硫化水素味を有する。
pH値 8.9
ラドン ---×10-10キュリー
密度 1.0010(20℃において)
蒸発残留物 1.010g/Kg
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 1.0293g/Kg
分析年月日 1998年1月6日
情報源 脱衣場の掲示
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
ナトリウムイオン 198.4
カリウムイオン 6.8
アンモニウムイオン 1.1
カルシウムイオン 84.9
陽イオン合計 291.2
陰イオン mg
フッ素イオン 0.9
塩素イオン 80.2
臭素イオン 0.5
硫化水素イオン 8.6
硫酸イオン 490.8
炭酸水素イオン 7.3
炭酸イオン 15.6
陰イオン合計 603.9

非解離成分 mg
メタケイ酸 126.7
メタホウ酸 7.5
非解離成分合計 134.2
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 0.1
溶存ガス成分合計 0.1

 野沢温泉には多くの源泉があり、当然、泉質は微妙に異なる。
 私が入浴した2つの浴場は、同じ温泉分析書が掲げられていたので、それを転載する。


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制作:2005年9月27日 修正:2005年9月29日