川湯温泉 川湯温泉共同浴場


川湯温泉共同浴場(手前は大塔川)

 川湯温泉という名前から多くの人が思い浮かべるのは、恐らく北海道の温泉地ではなかろうか。
 北海道川湯温泉は屈斜路湖畔にあり、川ではなく、湖岸の砂を掘ると湯が湧き出る。冬場は湖面が氷結するが、温泉の湧く場所だけは凍らない。そこが越冬する白鳥たちの憩いの場になる。釧網本線というローカル線が近くを通っているせいで、私は何度か訪問した。

 温泉に興味を持つようになってから、私の地元関西にも同名の温泉地があることを知った。
 和歌山県川湯温泉。大塔川の河原を掘ると湯が湧き、そこが即席の露天風呂になる。北海道の同名温泉に劣らない、野趣溢れる温泉地である。

 私が訪れた日は、台風一過の木曜日。大塔川の水量が多く、河原の露天風呂入浴は叶わなかったが、ささやかな温泉街の真ん中にある共同湯に入ってみることにした。

 鉄筋コンクリート3階建ての素っ気ない施設。タイル張りの浴槽には、かなり強い硫黄臭を伴う無色透明の湯が掛け流しになっている。湯温が高いため加水しているが、湯の花が舞う良質の温泉である。湯船の大きさの割には多くのオーバーフローがあり、お湯の鮮度は高いと思う。

 脱衣場に温泉成分や効能を記した板が掲示されていたが、泉温は49℃、湧出量は『川水と混合し測定不能』と書かれている。半世紀前のものなので、恐らく現状とはまったく異なると思うが、加水や加熱などに関する掲示は見かけなかった。

 共同浴場だから、石鹸やシャンプーの備え付けはないが、洗い場は混合水栓とシャワーのついた快適な仕様である。遠来の入浴者のために、鍵つきロッカーもある。

 大塔川の水量が減る冬場には、重機を使って河原に巨大な露天風呂が造られる。その時期にまた再訪したい。

お気に入り指数:★★★★☆

施設DATA
温泉名 川湯温泉
施設名 川湯温泉共同浴場
施設の種別 日帰り入浴施設
所在地 〒647-1717 和歌山県田辺市本宮町川湯(→地図)
電話番号 0735-42-1633
公式・参考サイト 熊野本宮観光協会
営業時間 08:00〜21:00
料金 大人:200円、小人:100円
無料の備品 鍵つきロッカー(100円リターン式)
浴場施設 内湯
駐車 可能
入浴日 2005年9月8日
備考 <0161>

温泉DATA
源泉名 川湯温泉(湧出地:和歌山縣東牟婁郡本宮町皆瀬川1423番地)
泉質 単純温泉
泉温 49℃(気温:24℃)
湧出量 毎分のゆう出量は川水と混合し測定不能。
知覚的試験 無色透明の液体で炭酸臭を有する。
pH値 7.3
ラドン ---×10-10キュリー
密度 1.000g/cm3(4℃)
蒸発残留物 0.9329g/Kg
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 0.9337g/Kg
分析年月日 1955年5月4日
情報源 脱衣場の掲示
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
ナトリウムイオン 186.4
カリウムイオン 11.34
マグネシウムイオン 7.929
カルシウムイオン 47.72
鉄イオン 0.09
陽イオン合計 253.5
陰イオン mg
塩素イオン 177.5
硫酸イオン 7.88
ヒドロ炭酸イオン 408.8
陰イオン合計 594.2

非解離成分 mg
メタケイ酸 86.0
非解離成分合計 86.0
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 160.8
溶存ガス成分合計 160.8

 


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制作:2005年9月11日 修正:2005年9月11日