木津温泉 しらさぎ荘


木津温泉駅とKTRの普通列車

 相当にマニアックな温泉である。

 一見したところ、廃業した温泉旅館が庭先を有料駐車場にしているようにしか見えない。"駐車場"の料金所みたいなところで入浴料を払い(貴重品があればここで預ける)、別棟の湯屋に向かう。

 モダンで質素な陸屋根の湯屋は、恐らく築後半世紀位は経ているのではないか。少々カビくさい浴室には小判形の浴槽があって、無色透明の超ぬる湯が大量に掛け流されている。

 脱衣場に掲げられた温泉分析書によれば、泉温:36.1℃の単純温泉。源泉温度がかように低い場合、加熱して浴用に供する場合がほとんどだが、しらさぎ荘では、年間を通じて加熱は行っていない。

 当然、冬場の入浴は相応の覚悟を要するが、炎天下、北近畿タンゴ鉄道(KTR)木津温泉駅から徒歩で訪れた私にとっては、体温に近いその湯は至極快適であった。温泉分析書に記された"極微硫化水素臭"は感じられなかったけれど、なめらかな湯の感触を確かめながら、浮遊感のある入浴を愉しんだ。

  木津温泉は、京都府では数少ない自噴の温泉(→京都府レッドデータブック 自然現象)。
 田畑の中に数軒の温泉旅館とこのしらさぎ荘がある。本来は旅館で、現在は素泊まりだけ(飲食物の持ち込み可)とのこと。

 1966年、松本清張が『Dの複合』を執筆した温泉地としても知られており、彼が滞在した老舗旅館には、当時の客室がそのまま残されている。
 外来入浴も受け付けているようなので、フツーの温泉ファンには、こちらがオススメかも知れない。

お気に入り指数:★★★☆☆

施設DATA
温泉名 木津温泉
施設名 しらさぎ荘
施設の種別 日帰り入浴施設(素泊まり可)
所在地 〒629-3241 京都府京丹後市網野町木津195(→地図)
電話番号 0772-74-0005
参考サイト 網野町観光協会
営業時間 10:00〜21:00
料金 大人(中学生以上):300円、小人(小学生以下):200円、乳児(1歳未満):100円
無料の備品 特になし
※石鹸、タオルの販売あり。
浴場施設 内湯
駐車 可能
入浴日 2005年8月14日
備考 <0157>

※2009年頃廃業したとの情報がある。 (2013/11/15追記)


温泉DATA
源泉名 木津温泉(所在地:京都府竹野郡網野町字木津195)
源泉所在地付近の状況:源泉は、公衆浴場敷地の北東端にあり、その東部には木津川が流れている。掘削深度は40mでポンプで揚水している。
泉質 単純温泉[低張性-弱アルカリ性-温泉]
泉温 36.1℃(気温:28.8℃)
湧出量 57L/min(動力揚湯)
知覚的試験 無色透明、無味、極微硫化水素臭
pH値 7.90
ラドン 13.6×10-10キュリー
密度 0.9988g/cm3(20℃)
蒸発残留物 0.403g/Kg
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 0.4686g/Kg
分析年月日 1982年8月31日
情報源 脱衣場の掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
リチウムイオン 0.7
ナトリウムイオン 128.5
カリウムイオン 3.5
マグネシウムイオン 1.0
カルシウムイオン 13.6
陽イオン合計 147.3
陰イオン mg
フッ素イオン 2.4
塩素イオン 62.6
チオ硫酸イオン 0.2
硫酸イオン 126.4
炭酸水素イオン 104.3
炭酸イオン 10.2
陰イオン合計 306.1

非解離成分 mg
メタケイ酸 13.8
メタホウ酸 1.4
非解離成分合計 15.2
溶存ガス成分 mg
溶存ガス成分合計 0.0

 


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制作:2005年08月18日 修正:2013年11月15日