うすずみ温泉 四季彩館

淡墨の桜と根尾谷断層

 旧根尾村は、淡墨の桜と根尾谷断層で知られた村である。2004年2月1日に周辺の3町と合併し、いまは本巣市となっている。

 淡墨の桜は、樹齢1,500年を超えると言われる彼岸桜の巨木。毎年、4月半ばに満開を迎えるが、散りぎわに特異な淡い墨色を帯びることからそう呼ばれているのだという。
 根尾谷断層は、1891年10月28日に起きた濃尾地震で生じた断層で、旧根尾村水鳥地区ではこれが地表に現れ、断層崖となっている。
 入浴前に両者を見物したが、葉桜とはいえ四方に枝を伸ばした淡墨の桜は貫録十分であったし、120年近い歳月を経てもなおくっきり残る断層のほうは、地震のエネルギーの大きさを実感せずにはいられなかった。

 さて、うすずみ温泉四季彩館は、淡墨の桜からそう遠くない場所にある公営施設である。温泉棟のほか、ホテルや道の駅が併設されており、ちょっとしたリゾートの趣だ。

 浴室は、極めてオーソドックスな造りで、主浴槽とジャグジー、サウナ、水風呂がある。
 ここで面白かったのは、"五右衛門風呂"。最近、都会のスーパー銭湯でしばしばみかける、釜を流用した一人用浴槽なのだが、これがジャグジーになっていて、ぶくぶく大きな泡が出ているのだ。焚き口のギミックまでついているので、一見すると本当に湯がぐらぐらと煮えたぎっているように見える。温泉水を使わない、単なる"お遊び風呂"だが、アイデア賞ものだと思う。

 露天エリアには、岩風呂と打たせ湯がある。どちらも温泉水が使用されており、ここがこの施設の"本命"である。
 泉質は、比較的ピュアな食塩泉。加水のうえ利用しているそうだが、口に含むと苦味のない素直な塩味を感じることができる。重曹成分も含まれているせいか、湯船につかるとすぐに肌に軽いぬめりを感じた。

 目隠し塀があるものの、露天風呂につかりながら周囲の山々が望めるので、解放感は抜群である。

 なお、この日女湯となっていたもうひとつの浴場は若干違った構造になっていて、毎日男女入れ替えになるのだという。

 再度入浴も可能となっていて、施設内にはかなり本格的なレストランもある。休日をゆっくり過ごすには絶好の施設だろう。

お気に入り指数:★★★☆☆

施設DATA
温泉名 うすずみ温泉
施設名 四季彩館
施設の種別 日帰り入浴施設
所在地 〒501-1531 岐阜県本巣市根尾門脇422番地(地図)
電話番号 0581-38-3678
公式・参考サイト うすずみ温泉 四季彩館
本巣市ホームページ
営業時間 10:00〜21:00(最終受付 20:00、毎週月曜日定休(祝祭日の場合は翌日))
料金 大人:850円、子供(3歳以上12歳以下):450円
※再入浴可能
無料の備品 ボディーソープ・シャンプー・鍵つきロッカー・ドライヤー・化粧品・ヒゲ剃りかみそり
浴場施設 内湯、露天風呂、ジャグジー、打たせ湯、サウナ、水風呂など
駐車 可能
入浴日 2005年5月29日
備考 <0138>

温泉DATA
源泉名 淡墨温泉(湧出地:岐阜県本巣郡根尾村門脇字下り野541番地の1)
泉質 ナトリウム-塩化物温泉[高張性-弱アルカリ性-低温泉]
泉温 32.8℃(気温:19.1℃)
湧出量 100L/min(動力揚湯)
知覚的試験 微かな褐色の濁りがみられる。微かな硫黄臭。塩味。
pH値 8.05
ラドン 2.2×10-10キュリー
密度 1.0056g/cm3(20℃)
蒸発残留物 9.970g/Kg(110℃)
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 10.772g/Kg
分析年月日 1990年10月22日
情報源 ロビーの掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
ナトリウムイオン 4025.0
カリウムイオン 89.5
マグネシウムイオン 11.4
カルシウムイオン 21.8
鉄(II)イオン 1.0
陽イオン合計 4148.7
陰イオン mg
フッ素イオン 2.9
塩素イオン 6008.4
硫酸水素イオン 0.1
硫酸イオン 2.8
炭酸水素イオン 552.8
炭酸イオン 14.8
陰イオン合計 6581.8

非解離成分 mg
メタケイ酸 29.9
メタホウ酸 11.9
非解離成分合計 41.9
溶存ガス成分 mg
溶存ガス成分合計 0.0

 岐阜県衛生研究所名で発行された温泉分析書には、"備考"としてつぎの記載があった。

 泉源は、門脇地区の周辺を山に囲まれた台地の一角に位置している。掘さく深度は1400mであり、11KWの水中ポンプで揚湯している。村営の福祉施設の建設が計画されている。 


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制作:2005年05月30日 修正:2005年06月07日