ひだ荘川温泉 桜香の湯


荘川桜のシルエット

 吹田から平瀬温泉を目指して、名神・東海北陸道を250Km余り。約4時間弱のドライブで、クルマは荘川ICに到着する。ここから、国道156号線を更に北上することになるが、"逆さクラゲ"の看板を発見した私は、無意識のうちにクルマを止めてしまった。
 ひだ荘川温泉桜香の湯---当初計画にはまったくなかった温泉なのだが、予想以上に好感が持てたのでレポートしたいと思う。

 桜香の湯は、道の駅桜の郷荘川に併設された公営日帰り入浴施設である。

 その源泉は、地下1,174mまで掘削して掘り当てたもの。478L/minもの豊富な湯量を誇る重曹泉である----と、ここまではありきたりのプロフィールだが、ポンプで温泉を汲み上げる動力揚湯ではなく、自然にお湯が噴き出す自噴泉であることが(新興温泉としては)珍しい。

 浴室内には、主浴槽と打たせ湯があるが、前者には『フローティングマシン』と称する正体不明の機械が取り付けられている。これがお湯を強烈な勢いでひっかきまわしており、あまり落ち着けない。本命は、露天風呂だろう。

 掛け流しではないが、入るとすぐに肌にぬめりを感じる上質の湯である。湯船から少し離れた場所に、"自噴"をイメージした湯口があり、ここから無色透明の湯が溢れ出る演出がしてある。スペース的にもゆったりした造りで、解放感も十分だと思う。

 露天風呂には、巨大な湯の滝がある。面白いのは、この滝の奥にも入浴スペースがあることで、滝つぼに潜むサワガニのごとき入浴を体験できる。ただし、滝があるのは男性用だけとのこと。

 館内には、飛騨牛その他地元特産の食材を使ったフルサービスのレストランがある。畳敷きの休憩室もあるから、ドライブの疲れを癒すにも最適だろう。

 施設名の"桜香の湯"は、もちろん、荘川桜にちなんだものである。

 荘川桜は、旧荘川村にあった古木。御母衣ダム(1961年完成)の建設に伴って水没することになったが、当時の電源開発(株)総裁・高碕達之助氏と、"桜博士"と呼ばれた笹部新太郎氏の熱意と技術によって、広大なダム湖を見下ろす現在の場所(→地図)に移植されたものである。詳細は下記の参考リンクは詳しいので、興味がある方はご覧いただきたい。

 その荘川桜、毎年ゴールデンウイーク直前頃が満開だそうなので、早速見に行った。
 エドヒガンという古い品種で、ソメイヨシノのような派手さはないが、白く可憐なその花は、湖底に沈んだかつての村とそこに暮らした人々の生き方を今に伝えているかのようでもあった。

お気に入り指数:★★★★☆

参考リンク

施設DATA
温泉名 ひだ荘川温泉
施設名 桜香の湯(おうかのゆ)
施設の種別 日帰り入浴施設
所在地 〒501-5414 岐阜県高山市荘川町猿丸82-1(→地図)
電話番号 05769-2-2044
公式・参考サイト 飛騨荘川観光協会ホームページ
営業時間 10:00〜20:30(最終受付 20:00、毎週木曜日定休(祝日の場合は翌日)、大晦日と元旦は休業)
料金 大人:700円、小人(4歳〜12歳):300円、幼児:無料
無料の備品 ボディーソープ・シャンプー・鍵つきロッカー・ドライヤー
浴場施設 主浴槽、打たせ湯、露天風呂
駐車 可能
入浴日 2005年5月4日
備考 <0128>

温泉DATA
源泉名 ひだ荘川温泉桜香の湯
※掘削期間:1997年7月16日〜12月19日
泉質 ナトリウム-炭酸水素塩泉[低張性-弱アルカリ性-高温泉]
泉温 49.1℃(気温:5.3℃)
湧出量 478L/min(自噴)
知覚的試験 無色透明・微弱な硫黄臭・弱い金気味
pH値 7.53
ラドン ---×10-10キュリー
密度 ---g/cm3(20℃/4℃)
蒸発残留物 ---g/Kg
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 2.450g/Kg
分析年月日 1998年2月2日
情報源 脱衣場の掲示
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
ナトリウムイオン 651.3
カリウムイオン 21.9
マグネシウムイオン 4.0
カルシウムイオン 9.0
鉄(II)イオン 0.7
陽イオン合計 686.9
陰イオン mg
フッ素イオン 13.2
塩素イオン 77.5
硫化水素イオン 0.4
硫酸イオン 28.0
炭酸水素イオン 1564.3
陰イオン合計 1683.4

非解離成分 mg
メタケイ酸 69.5
メタホウ酸 9.2
メタ亜ヒ酸 1.4
非解離成分合計 80.1
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 37.4
遊離硫化水素 0.2
溶存ガス成分合計 37.6

 


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制作:2005年05月06日 修正:2005年05月06日