坂巻温泉 坂巻温泉旅館

 国道158号線沿いにある一軒宿の温泉。中の湯温泉旅館と並んで、通年営業の旅館としては、上高地にもっとも近い場所にある。

 私が初めて上高地に行ったのは、中学3年の時だ。学校主催の集団登山で、常念岳に登った。この頃は、北杜夫の作品ばかりを読んでいたから、氏が青春期を過ごした信州松本や北アルプスを訪ねることは、当時の私の念願でもあった。

 それ以来、上高地へは幾度となく行ったし、この温泉の前は何回も通ったけれど、その湯に浸かるのは今日が初めてである。以前は質素な湯治場みたいな建物であったが、1984年に改築されて、今は立派な温泉旅館となっている。

 風呂は2か所。まずは、梓川の渓谷を望む露天風呂にはいる。

 筧から注がれる湯は、若干の硫黄臭を伴う無色透明のなめらかなもの。今日は、乗鞍高原、白骨と個性的な湯にばかり入っていたので、こういう大人しい温泉につかると、逆にほっとした気分になる。湯船の底には玉砂利が敷かれていて、足の裏に適度な刺激を与えてくれるのが面白い。

 一旦服を着たあと、今度は内湯にはいってみる。
 石とタイルで飾られた浴槽がひとつあるだけだが、豪快な掛け流しとなっており、大量のオーバーフローがある。湯の鮮度は、内湯のほうが遥かに高く、温泉そのものを賞味するならこちらがオススメである。

 旅館のホームページによると、坂巻温泉の源泉は、梓川の川面にすぐ近い場所。季節によって温度や湧出量が変動するが、平均すると概ね65℃、140L/min程度とのことである。高温であるため加水されており、30〜40%程度の加水率なのだそうだ。

 去年の"白骨ショック"の結果ではあろうが、安曇村内の温泉地は、どこも温泉の情報提供に熱心である。今後も積極的な情報公開が続くことを願いたいと思う。

お気に入り指数:★★★★☆

施設DATA
温泉名 坂巻温泉
施設名 坂巻温泉旅館
施設の種別 旅館
所在地 〒390-1500 長野県南安曇郡安曇村坂巻4460(→地図)
電話番号 0263-95-2453
公式サイト 坂巻温泉旅館
営業時間 09:00〜16:00(内湯は11:00から)
料金 大人:500円、小人(小学生以下):300円
無料の備品 ボディーソープ・シャンプー・ドライヤー
浴場施設 内湯、露天風呂
駐車 可能
入浴日 2005年3月21日
備考 <0124>

温泉DATA
源泉名 坂巻温泉
泉質 ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物泉[低張性-中性-高温泉]
泉温 65.5℃(気温:1.0℃)
湧出量 ---L/min
知覚的試験 無色透明、硫化水素臭を有する
pH値 6.85
ラドン ---×10-10キュリー
密度 0.9993g/cm3(20℃/4℃)
蒸発残留物 0.915g/Kg(110℃)
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 1.0982g/Kg
分析年月日 2005年2月18日
情報源 公式サイトの情報
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
ナトリウムイオン 213.5
カリウムイオン 0.44
マグネシウムイオン 7.1
カルシウムイオン 62.0
マンガンイオン 0.9
リチウムイオン 0.7
ストロンチウムイオン 1.1
バリウムイオン 0.2
陽イオン合計 302.7
陰イオン mg
フッ素イオン 4.6
塩素イオン 176
臭素イオン 0.4
硫化水素イオン 0.4
硫酸イオン 115.0
炭酸水素イオン 345.1
硝酸イオン 1.1
陰イオン合計 642.9

非解離成分 mg
メタケイ酸 143.8
メタホウ酸 8.8
非解離成分合計 152.6
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 73.7
遊離硫化水素 0.7
溶存ガス成分合計 74.4

 ※訪問時に浴場に掲げられていた温泉分析書よりも、ホームページに掲載されていた情報のほうが新しかったので、それを転記した。

 


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制作:2005年3月22日 修正:2005年3月28日