温泉館「海の里」みちしおの湯

　和歌山県日高町にある公営日帰り入浴施設。2000年の開業。

　紀伊水道を臨む海辺に、瀟洒な2階建ての建物がある。

　海が見える浴場には、打たせ湯やジャグジー、ジェットバスなどの設備がととのっている。これら多彩な施設はひとつの大きな浴槽となっていて、かなり塩っぱい食塩泉が満たされている。
　露天風呂はテラス部分に設けられていて、あまり広くはない。けれども、潮の匂いと波のささやきを感じながらの入浴は、なかなか爽快であった。

　入浴後は、広いロビーでゆったり寛ぐことができる。畳敷きの休憩室とビールの自販機があるのも、左党にとっては嬉しい限り。

　この種の施設でしばしばみかけるマッサージチェアが置かれていたが、何と無料であった。もともと貧乏性のせいか、こういう無料備品があると、一気にポイントがあがってしまう。

　フロント奥に温泉分析書が掲げられていたので遠目で観察していたら、温泉分析書のコピーを頂戴した。
　ちょっとうるさい温泉ファンのために、ちゃんと資料が準備してあるのだ。一見したところでは、日本全国どこにでもある新興公営温泉だが、温泉に対するこだわりを垣間見たようで、嬉しくなってしまった。

　フルサービスの食堂があり、麺類や丼もののほか、クエ鍋を試食することができる。

　クエは関東以南の太平洋沿岸で捕れる大型魚。体長1.5mにもなる外見はグロテスクだが、タイやヒラメ以上に美味なのだという。

　日高町は、"クエ"を主役に町おこしをはかっていて、秋から冬にかけては、クエ・フェア、くえマラソンなどのイベントが行われるのだそうだ。

お気に入り指数:★★★★☆