関金温泉 関の湯

 鳥取県中部・倉吉市の南にある温泉。

 "せきがね湯命館"という立派な温泉センターが日帰り入浴客の人気を集めているが、温泉街のいちばん奥にある共同湯に入ってみることにした。

 木造瓦葺きの質素な湯屋。明治時代に地元住民の共同出資で入浴施設を造ったのがその始まりという。陽が西に傾くころになると、浴具を手にした地元の人たちが三々五々集まってくる。
 部外者は入浴料200円を払うが、多くの入浴者は、100円ライターほどの木札を渡している。どうやらこれが出資者の入浴券代わりらしい。

 浴室は清潔なタイル張りで、そこに木製の湯船が嵌め込まれている。
 3〜4人も入ればいっぱいになる小さなものだが、縁だけでなく、全部が木製の今どき珍しい風情ある浴槽だ。銭湯のごとく、木製の塀で男湯・女湯が仕切られているが、湯船は実質ひとつしかなく、スノコ状の仕切りから女湯のほうに手を伸ばせるという実におおらかな構造である。

 お湯は無色透明無味無臭の単純放射能泉。武骨なビニールパイプから源泉がふんだんに注がれて、そのまま掛け流しになっている。特徴的な浴感は乏しいけれど、ぬくもりのある浴槽で四肢を伸ばせば、ほんわか幸せな気分になることは間違いない。

 かつて、10軒以上の旅館が軒を連ねた関金温泉もその廃業が相次ぎ、今はひっそりと静まり返っている。
 温泉街の起死回生策が前述の"せきがね湯命館"なのだが、温泉ファンに対しては、この関の湯をお勧めしたいと思う。ただし、あくまでも地元住民のための小さな施設なので、本来の利用者に決して迷惑がかからぬよう注意したい。

お気に入り指数:★★★★☆

施設DATA
温泉名 関金温泉
施設名 関の湯
施設の種別 共同浴場
所在地 鳥取県東伯郡関金町大字関金宿字湯谷1227番1(→地図)
電話番号 ---
公式・参考サイト 関金町役場ホームページ
営業時間 ----
料金 大人:200円、小人:100円
無料の備品 (なし)
浴場施設 内湯
駐車 可能(10台程度)
入浴日 2005年3月6日
備考 <0113>

温泉DATA
源泉名 関の湯(湧出地:鳥取県東伯郡関金町大字関金宿字湯谷1227番1)
泉質 単純放射能温泉[低張性-弱アルカリ性-高温泉]
泉温 45.7℃(気温:25.2℃)
湧出量 22.3L/min(動力揚湯 エバラ自吸水ポンプ0.33KW 動力 日立0.3KW)
知覚的試験 無色透明無味無臭
pH値 7.8
ラドン 194.9×10-10キュリー
密度 0.9992g/cm3(20℃/4℃)
蒸発残留物 0.5084g/Kg
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 0.5490g/Kg
分析年月日 1992年7月3日
情報源 ロビーの掲示(温泉分析書のコピー)
1Kg中の成分

  
陽イオン mg
ナトリウムイオン 145.5
カリウムイオン 4.3
マグネシウムイオン 0.2
カルシウムイオン 13.6
陽イオン合計 163.6
陰イオン mg
フッ素イオン 8.7
塩素イオン 109.1
硫酸イオン 105.1
炭酸水素イオン 96.2
陰イオン合計 319.1

非解離成分 mg
メタ亜ヒ酸 0.1
メタケイ酸 63.1
メタホウ酸 3.1
非解離成分合計 66.3
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 2.9
溶存ガス成分合計 2.9

 


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制作:2005年3月6日 修正:2005年3月6日