木部谷温泉 松乃湯 |
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島根県西部に湧く、我が国には珍しい間歇泉。 既に夕闇が迫っていたが、温泉が吹き出す様子を見たくて、まずは源泉地に行ってみた。 金網で囲まれた池に茶色の温泉水が満たされている。更にその奥、地面に10cmほどの穴があいているが、ここが噴出孔のようだ。約30分周期で噴出がみられるというので、しばらく待つことにした。 周囲はうっそうとした森で、物音ひとつしない。時どき、噴出孔に目をやるが、ちっとも変化がない。することがないので、案内板の説明などを読むことにする。 それによると、一般的な間歇泉は、高温蒸気の圧力で噴出するものが多いが、木部谷のそれは、炭酸ガスの圧力で吹き出すのだという。 しかし、それにしても寒い。風こそないが、昨夜降った雪の上に立つ足先は氷のように冷たく、凍傷になってしまいそうだ。 炭酸飲料の栓を抜いたときのような、白い泡がちょろちょろ出始めたかと思うと、みるみる高さが増して、1mくらいの"噴水"になった。ぼごぼごとガスの吹き出る音が聞こえ、かすかな硫化水素臭が漂う。写真をご覧になれば分かると思うが、細かい気泡が含まれているので、公園などにある人工の噴水とは、飛沫のかたちがずいぶん違う。 珍しい間歇泉のショーを見物できたので、大満足で風呂につかることにする。 浴室はタイル張りで、既に析出物が厚く沈着している。よく見ると茶色の温泉水の水面には、白く薄い膜が浮いているが、これはカルシウムが析出したもので、もちろん入浴客の垢ではない。 中国道六日市ICから約15分と、交通の便も比較的いい。時間に余裕をもって訪問し、間歇泉の吹き出る様子もあわせてご覧になることをお勧めする。 お気に入り指数:★★★★★(但し、間歇泉の見物も含んだ評価)
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制作:2005年1月3日 修正:2005年1月19日