関宮温泉 万灯の湯

 兵庫県養父市に、この秋オープン(2004年11月23日)したばかりの公営入浴施設。国道9号線から少し脇に入ったところにある。

 平屋・瓦葺きの質素な建物だが、壁や天井には美しい木目の杉板が使われている。竣工間もないこともあり、その木の香りが清々しい。

 "氷ノ山の湯"と"鉢伏山の湯"の2つの浴室があり、この日は後者が男湯となっていた。

 "鉢伏山の湯"の浴室内には端正な石張りの主浴槽とジャグジー、屋外には天然石を使った露天風呂と水風呂、それにサウナが設けられている。
 お湯は無色透明無味塩素臭(!?)。あまり特徴的な浴感もない。ロビーの掲示によれば、源泉はかなり濃い食塩泉のはずだが、これはいったいどうしたことなのだろう。

 浴場の向かいの休憩室では、近所のおばちゃんたちが歓談中である。
 このほか、農産物の直売コーナーや地場産品を使った食堂、"味噌加工室"や"もち加工室"まであり、"関宮農村交流ターミナル"の名前が示すとおり、観光客よりも地元住民のほうを向いた施設とみた。

 養父市は、2004年4月に、兵庫県養父郡に属していた養父・大屋・八鹿・関宮の4町が合併してできた市である。
 旧養父町にはやぶ温泉、旧大屋町には若杉高原温泉があったが、合併に相前後して旧八鹿町にとがやま温泉、そして、旧関宮町にこの万灯の湯ができた。
 こんなに温泉ばかり掘ってどうするんだという気もするが、自治体の合併というのは、それほどまでに心配りが必要な極めて微妙な問題ということなのだろう。

 「万灯さん」は地元三宅地区の伝統行事。
 毎年8月24日、山頂に愛宕大明神を祀る万灯山(260m)で、麦わらで作った60もの万灯に火がともされる。稜線に炎が揺れて、それは見事な眺めなのだそうだ。

お気に入り指数:★★☆☆☆

施設DATA
温泉名 関宮温泉
施設名 関宮農村交流ターミナル 万灯の湯(まんどのゆ)
施設の種別 日帰り入浴施設
所在地 〒667-1101 兵庫県養父市三宅821(→地図)
電話番号 079-663-5556
公式・参考サイト 万灯の湯
養父市役所
営業時間 10:00〜22:00(最終受付21:30)、定休日未定
料金 大人:600円、小人:300円
無料の備品 ボディーソープ・シャンプー・鍵つきロッカー・ドライヤー
浴場施設 内湯、泡風呂、露天風呂、サウナ、水風呂
駐車 可能
入浴日 2004年12月9日
備考 <0091>

※2008年7月29日を最後に営業終了。


温泉DATA
源泉名 源泉所在地:兵庫県養父市三宅字姉ケ谷875番地の3
泉質 ナトリウム-塩化物低温泉[高張性-中性-低温泉]
泉温 31.5℃(気温:27℃)
湧出量 18L/min
知覚的試験 淡黄色わずかに濁りがある。塩味を有す。
pH値 6.98
ラドン ---×10-10キュリー
密度 1.00377
蒸発残留物 12.55g/Kg
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 15.4g/Kg
分析年月日 1998年8月28日
情報源 ロビーの掲示など
1Kg中の成分
     

    

陽イオン mg
ナトリウムイオン 5500.
カリウムイオン 41.8
マグネシウムイオン 279.
カルシウムイオン 204.
鉄イオン 14.4
マンガンイオン 0.20
リチウムイオン 11.4
ストロンチウムイオン 8.37
バリウムイオン 0.34
亜鉛イオン 3.18
アルミニウムイオン 0.30
陽イオン合計 6060.
陰イオン mg
塩素イオン 8490.
臭素イオン 12.6
硫酸イオン 13.0
炭酸水素イオン 663.
陰イオン合計 9180

非解離成分 mg
メタケイ酸 108.
メタホウ酸 47.2
非解離成分合計 155.
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 116.
溶存ガス成分合計 116.

 

 2008年9月4日に再訪したら、7月29日をもって営業を終了した旨の張り紙が掲げられ、施設はひっそり閑としていた。

 温泉ニュースBlogによれば、地元住民らでつくる管理組合が、指定管理者からの撤退を市長に申し出たとのこと(→参考)。昨今の燃料費高騰で採算が見込めなくなったためらしいが、結局、開業から満4年もたなかったことになる。

 上記のレポートにも書いたとおり、水道水同然の温泉では、今後も客を呼べるとは思えない。

 公費を投じて建設した施設はまだぴかぴかだが、この施設の浴槽に再びお湯がはられる日は来るのであろうか。

 


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制作:2004年12月09日 修正:2008年09月07日