三朝温泉 木屋旅館


古典的な木造三階建て
(三徳川対岸から)


楽泉の湯


家族湯


河瀬の湯
(男子大浴場)

 浴室の桶は、銭湯でおなじみの"ケロリン湯桶"

 鳥取県倉吉市の近郊にある三朝温泉は、関西人にとって、ちょっと高級なイメージのある温泉地である。
 約30軒の旅館・ホテルがあり、三徳川の右岸(北側)には設備がととのった巨大温泉旅館が建ち並ぶが、温泉ファンのみなさんには、その対岸の温泉街にある小規模な旅館をお勧めしたい。

 私が投宿した木屋旅館もそのひとつで、きらびやかなロビーやカラオケバーはないけれど、その代わり、昔ながらの掛け流し・足下湧出(→自噴する温泉の源泉をそのまま浴槽にしたもの)の極上湯が待っている。

 早めのチェックインを済ませたら、まずは楽泉の湯に向かおう。

 フロント奥の階段を下りると---足下湧出の自噴浴槽は、たいてい地面より低い位置にある---、クラシックなタイル張りの浴室がある。床は石張りだが、これが裸足では立ってられないほど熱いのだ。
 もちろん、端正な木製浴槽の湯も非常識に熱いことがあるから、いきなり飛び込むような真似はしないほうがいい。加水用のホースがあるので、これで適温になるまでうめてから、そろりそろりと身体をつけよう。
 浴槽の底には、コンクリートの板が敷かれていて、そのすき間から熱気を帯びた湯がめらめらとわきたっているのがわかる。放射能泉ゆえ、際立った浴感はないけれど、大地の恵みと先人の労苦を実感できる湯であった。

 この楽泉の湯は、家族湯とともに貸切制である。と言っても、部屋数20の小さな宿ゆえ、特に予約はいらないし、追加料金も必要ない。時として"使用中"のこともあるけれど、互いに譲り合って、三朝本来の温泉を味わおう。

 このほか、館内には男女2か所の大浴場があり、足下湧出ではないが、もちろん掛け流しである。湯温は常に適切に調節されているから、快適に入浴できるであろう。

 温泉中心の評価になってしまったけれど、宿そのものも大変好感が持てた。
 とびきり豪華な食事---ではないけれど、熱い料理は熱いまま、冷たい料理は冷たいままで供されるので、大変美味しくいただけた。
 こうしたキメ細かなサービスは、効率優先の巨大温泉旅館では、決して真似はできないと思う。

 個人旅行では、是非お勧めしたい宿だ。

お気に入り指数:★★★★★

施設DATA
温泉名 三朝温泉
施設名 木屋旅館
施設の種別 旅館
所在地 〒682-0123 鳥取県東伯郡三朝町三朝895(→地図)
電話番号 0858-43-0521
公式・参考サイト 木屋旅館
三朝温泉ホームページ(三朝温泉旅館協同組合)
営業時間 11:00〜15:00(外来入浴)
料金 大人:1,000円、小人:500円(外来入浴)
無料の備品 ボディーソープ・シャンプー・ドライヤー・化粧品
浴場施設 男女大浴場、楽泉の湯、家族湯
駐車 外来入浴者は、たぶん不可。
入浴日 2004年9月19日〜20日(宿泊)
備考 <0077>


温泉DATA
源泉名 楽泉の湯
泉質 放射能泉
泉温 58.0℃
湧出量 ---
知覚的試験 ---
pH値 ---
ラドン ---×10-10キュリー
密度 ---
蒸発残留物 ---
溶存物質総計(ガス性のものを除く) 1203mg/Kg
分析年月日 1988年2月24日
情報源 脱衣場の掲示
1Kg中の成分
     

    

陽イオン mg
ナトリウムイオン 346.9
カリウムイオン 13.1
マグネシウムイオン 3.2
カルシウムイオン 26.7
アルミニウムイオン 0.1
陽イオン合計 390.0
陰イオン mg
フッ素イオン 4.2
塩素イオン 419.1
硫酸イオン 86.5
ヒドロ炭酸イオン 199.0
陰イオン合計 708.8

非解離成分 mg
メタケイ酸 76.7
メタホウ酸 9.9
メタ亜ヒ酸 0.5
非解離成分合計 87.1
溶存ガス成分 mg
遊離二酸化炭素 17.2
溶存ガス成分合計 17.2

 男女大浴場と家族湯は、別の源泉を用いている模様。

 


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制作:2004年9月22日 修正:2004年9月27日