久美浜温泉　元湯館

　大阪名物"くいだおれ"の創業者・山田六郎氏が、1975年に掘削した温泉。

　51.2℃という高い泉温、653L/分もの豊富な湧出量が特徴で、これを活かした豪快な掛け流し方式となっている。

　透明な湯が滔々と溢れている内湯も捨てがたいが、主役は何と言っても恐ろしく広い露天風呂だろう。天然の岩盤から、湯が滝のごとく露天風呂に流れ落ちる様は壮観である(但し、あくまでも動力揚湯であって、自噴ではない)。
　あまりに大規模な露天風呂なので、この"湯の滝"のほかに、浴槽には何か所ものお湯の吹き出し口がある。こうでもしないと、湯温を均一に保てないからだ。しかし、いわゆる吸い込み口は見当たらず、看板に偽りはないと思われた。

　泉質は、カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉という、あまり馴染みのないタイプである。溶存物質:5386mg/Kgはかなり濃い温泉と言える。単なる水道水ではない浴感を感じたが、具体的に表現せよとなると、適当な言葉が思い当たらない。

　旅館も併設しているが、日帰り入浴の比重も高い。海水浴後にひと風呂浴びる客が多くて、洗い場は大変な混雑ぶりであった。

　飲食施設が併設されていて、メニューも豊富。私は利用しなかったが、"くいだおれ"系列とすると、味も期待できるのではないかと思う。

　純民営の施設にもかかわらず、入浴料400円(繁忙期は500円)は明らかに割安。当地方(兵庫県香住町)出身の山田氏が、故郷への恩返しのつもりで造った施設だからかも知れない。ちなみに、露天風呂には、同氏の巨大な銅像が屹立している。

お気に入り指数:★★★★☆

高温泉源