天王温泉 |
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唐破風屋根を持つ、古典的な銭湯建築。湊山温泉とは、天王川をはさんでつい目と鼻の先だ。 玄関に置かれた自販機で入浴券を買うシステムだが、木札のゲタ箱に履物を入れると、すぐに男女別の入り口がある番台形式の公衆浴場である。公定銭湯料金ではないから、『日帰り入浴施設』としたが、実態は限りなく銭湯に近いと思う。 高い天井の脱衣場には、天王温泉の特徴を紹介する古風な絵が掲げられている。それによると、本温泉の源泉は天王川の滝壺の中にあって、兵庫縣から特別の許可を得て敷設した全長60間の導湯管により、浴場地下の貯湯槽に注がれるそうである。タテ書きの温泉分析書も示されているが、日付は何と半世紀以上前のものであった。 さて、肝心の浴室はと言うと、大屋根の下をガラスブロックで男女別に仕切った構造で、4つの浴槽が並んでいる。いちばん奥の気泡風呂の周囲には、多くの沈殿物の堆積が見られたが、他の3つの浴槽は、一浴した限り、水道水と変わらぬ浴感であった。 浴室に入ってすぐ左側に飲泉場がある。何の飾りっ気もないカランがあり、プラスチックのコップがつり下げられている。試しに口に含んでみたが、若干の鉱物臭がある以外は、別にどうという印象はなかった。 個人的には、湊山温泉よりワンランク下の泉質のように思えたが、客数はなぜか天王温泉のほうが多かった。皆、番台のおばちゃんと顔見知りで、軽い冗談を飛ばしながら風呂上がりのひとときを愉しんでいる。 脱衣場には昔懐かしい冷蔵ショーケースが置かれていて、ラムネや瓶入り牛乳がキンキンに冷えている。 お気に入り指数:★★★☆☆ |
温泉DATA | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
源泉名 | 湧出地:神戸市兵庫區湊山町天王川右岸 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
泉質 | 含土類重曹泉(緩和性低張性微温泉) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
泉温 | 30.0℃ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
湧出量 | --- | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
知覚的試験 | 殆ど無色透明臭気なく微に清涼性味を有する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
pH値 | 6.2 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ラドン | 7.24マッヘ(1L中) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
密度 | 1.00066 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
蒸発残留物 | 1079.85mg/Kg | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
溶存物質総計(ガス性のものを除く) | 1355.677mg/Kg | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分析年月日 | 1954年2月25日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1Kg中の成分
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制作:2004年6月20日 修正:2004年8月18日