(出雲)湯村温泉　湯乃上館 元湯

　湯村温泉は、奥出雲の山あいにひっそりと湧く温泉である。出雲国風土記にも記述があるというから、その歴史は古い。

　湯乃上館は、その湯村温泉にある小さな温泉旅館。一見共同湯のような浴場があり、外来日帰り入浴も可能だ。

　畳8畳ほどの内湯と4.5畳ほどの露天風呂がある。
　かすかに硫化水素臭がする透明なお湯は、まず、木製のかかり湯枡に注がれ、これが内湯に流れ込む。更にここから露天風呂に行く仕組み。最後は豪快に斐伊川に放流される非加熱・非加水のかけ流しの温泉だが、貴重な自然の恵みを大切に使う姿勢には敬服した。

　湯船に注がれるお湯の音を聞きながら、ゆったりとした時間の流れを愉しめた。

　ネット上の各種情報を見ると、『風情に欠ける』との意見もあるけれど、それは2002年冬に改築されたばかりであるからだと思う。
　決して豪華ではない湯屋をよ〜く観察すると、実は安っぽい新建材は使われていないし、真新しい木材に着色して古く見せかけるようなこともしていない。あと数十年待てば、鄙びた、そして風格ある入浴施設になることは間違いないであろう。

　湯村温泉には、この湯乃上館のほか、斐伊川を挟んだ向かいに国民宿舎(清嵐荘)がある。こちらも外来入浴可能。
　斐伊川が町村境となっているので、湯乃上館の所在地は大原郡木次町、国民宿舎は飯石郡吉田村になる。ただし、国民宿舎の源泉も木次町側にあるようで、斐伊川を渡る導湯管があった。

■お気に入り指数:★★★★★

1Kg中の成分

　 　　　

　　　　

陽イオン mg ナトリムイオン 100.2 カリウムイオン 2.7 マグネシウムイオン 0.5 カルシウムイオン 17.7 ストロンシウムイオン 0.2 陽イオン合計 121.3

陰イオン mg フッ素イオン 2.4 塩素イオン 182.8 ヨウ素イオン 0.1 硫酸イオン 55.8 炭酸水素イオン 26.9 炭酸イオン 10.2 陰イオン合計 278.2

非解離成分 mg メタケイ酸 56.2 メヤホウ酸 2.7 非解離成分合計 58.9

溶存ガス成分 mg 遊離二酸化炭素 0.1 溶存ガス成分合計 0.1