花岡食堂 ★★★★


中華そば 600円(税込み)

 

 新潟県燕市は、かつての金属洋食器の街、そして、隠れたラーメンの街だ。

 昭和30年代、燕の洋食器対米輸出はピークを迎えた。小さな町工場は、どこも食事を摂る時間もないほどの忙しさ。そんな中で、人気があったのが出前のラーメンであった。肉体労働者向けの少し塩っぱいスープ、腹持ちが良く、出前しても伸びにくい太麺...。ニーズにあわせて工夫された燕のラーメンは、独自の進化をとげたのだという。(燕ラーメン*お遍路マップ)

 2011年の黄金週間、越後路を訪れたのを機会に、そのラーメンを賞味してみることにした。
 私が選んだのは、越後線西燕駅近くにある花岡食堂。1968年開店。かつての燕の隆盛を知る数少ない店で、ラーメン専門ではなく、うどん・そばや丼物もある。

 ずぶとい縮れ麺が背脂入りのスープの中に沈んでいる。具は、チャーシュー、ナルト、メンマ、焼き海苔、白ネギ。もちもちした太麺は食べ応えがあり、しょうゆ味のスープは確かに塩味がきついが、見かけほどしつこくはない。

 見かけはぱっとしない"ただの食堂"で、これだけの一杯が出てくる。燕は、やはりラーメンの街なのだ。

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〒959-1200 新潟県燕市花見24-2(→地図)
TEL:0256-62-4813
【2011.05.06試食】

2011.05.29制作  2011.05.29改編