こってりチャーシューメン 830円(税込)
関西には、京都発祥のラーメンチェーンがじつに多い。
ご承知のとおり、京都は観光の街であると同時に、学生の街でもある。安く、旨く、腹に溜まる食事が求められ、そこで鍛え抜かれた品質と値段が世に受け入れられたということであろうか。天下一品も、京都の屋台がその原点だそうである。
鶏と野菜から作るという秘伝のスープは、洋食のポタージュを思わせるもの。私は以前から知っていたけれど、首都圏に進出した時は、東京のラーメンファンの間でかなり話題になったという。
ギトギトしたしつこさは皆無だが、個性が強いがゆえに、好き嫌いが割とはっきりしているようで、正直言うと、私個人は"どーしても食べたい"と思うほどのファンではない。
こうした客の存在を意識してか、一般的な醤油ラーメンなどもラインアップされている。更に、最近は、ご覧のごとく店の造作にもそれなりのカネをかけ、女性でも入りやすい雰囲気をつくっている。
ある意味で、質実剛健な屋台ラーメンの精神は、(意図的であるにせよ)忘れられていると言えなくもない。