土佐っ子ラーメン　★★★

土佐っ子ラーメン　700円

　池袋西口にあるラーメン店。本店は板橋区常盤台にある知る人ぞ知る『環七ラーメン』である。

　大学の卒業試験、そして医師国家試験の頃には、毎日のように常盤台にある本店に通った。代金を払うと食券代わりの割り箸を貰える。面白いのは、割りばしの色による『ロット方式』で調理していたこと。先端を食紅で染めた箸とそうでないのがあって、数十名分の調理が終わると、『赤い箸の方、どうぞ...』と声がかかり、客は箸を示してラーメンを受け取る仕組みになっていた。
　ただ、場所が場所だけに公共交通機関を使っての訪問は困難を極める。そんなわけで、東京を離れてからは1度も食べていなかったのだが、一昨年上京したおり、池袋で偶然にもこの支店を発見した。

　池袋店のほうは、テーブル数卓と小さなカウンターのみ。ラーメンのほかにチャーハンなどのメニューもある。供されるラーメンは基本的にはかつての本店と同じで、背脂がたっぷり入ったギトギトラーメン。具はチャーシュー、ゆで卵、メンマ、白ねぎ。テーブルに掛けて食べる『環七ラーメン』は、かつての本店のそれに較べてややお上品な味のように思えた。

　その後、Web等で収集した情報を総合すると、この店は、かつて板橋区常盤台に存在した(=私が通っていた)『土佐っ子』の正当な支店ではないようである。
　ラーメンがこれほどまでにブームになった今、その名称は間違いなく『ブランド』である。
　近代的な企業であれば、当然、これを商標登録し、商標権者の意に沿わない不法使用に対しては、法的措置も辞さないというのがあたりまえであるが、この業界には、そんな発想は乏しいようだ。(2002.4.24追記)