急行 きたぐに 新潟行

 23時06分、閑散とした大阪駅11番ホームに、急行きたぐに新潟行が入線してきた。
 少々くたびれた感じは否めないけれど、3つの目玉は新潟まで続く鉄路を煌々と照らしている。
 1967年、華々しくデビューした『世界初の電車寝台』、583系も定期での運用はこのきたぐにだけになってしまった。
 また、急行きたぐには、A寝台・B寝台・グリーン車・普通車と様々なタイプの車両を連結する、昔ながらの『夜行』の面影を色濃く残した列車でもある。
 それでは、そのきたぐにの車内を写真でお目にかけよう。(写真はすべて、98年9月6日夜に撮影したもの)

■クハネ581のサイドビュー

 JR西日本特急車の標準塗色をベースにした塗りわけ。幕板の小窓は、上段・中段の客が外の様子を見るためのもの。

■側面方向幕

 583系の側面方向幕は、正方形に近い独自の形状である。国鉄オリジナルのフォーマットがなお嬉しい。

■普通車

 4号車(モハネ582)の車内。モケットと床の絨毯はオリジナルではない。網棚の上の張り出し部分には、上段・中段のベッドがしまい込まれている。

■グリーン車

 6号車(サロ581)の車内。高い天井が印象的である。手前のミニサロンは、シュプール号に充当するにあたって設けられたパブリックスペースで、グリーン券がなくても利用可能のようである。

■A寝台車

 7号車(サロネ581)の下段ベッド。急行きたぐにを電車化するにあたって、サハネ581から改造された車両で、ベッドが2段式になっている。大きな枕、厚めのマットが優等車両のしるし(?)。

■B寝台車

 5号車(モハネ583)の車内。廊下を挟んでその両側に3段式ベッドが並んでいる。

■シートロック(?)

 座席車として運用される1〜4号車には、写真のようなシートロックが装備されている。これは、当初勝手に寝台をセットして寝てしまう客がいたことへの対抗策。もともと、583系は夜間座席のまま運用することは想定していない。

■乗りトク寝台(?)

 モハネ582のパンタ部は低屋根。3段式寝台の設置は無理なので、上段がない。この部分は中段はたっぷりの頭上空間を持つ乗りトク寝台でもある。

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Sep 12 1998 (C)H.S.E.