DTMF(Dial Tone Multi Frequency)は、古くからプッシュ式有線電話のダイヤル信号の伝送に用いられている規格である。
高群・低群それぞれ4波ずつの中から各1波、合計2波を同時に送出することによって、16種類の情報を伝送する。用いられる周波数はすべて音声帯域内なので、既存の電話通信網をそのまま流用して、簡単なデータ伝送が可能になる。
もう20年近く前から、アマチュア用のハンディ機には、この信号を送出する機能が標準で装備されている。日本ではあまり使い道がないが、米国をはじめとする海外では、アマチュア無線と有線電話網をリンクすることが少なくないので、ハンディ機には必須の機能のひとつとされる。
この信号を送信できる無線機(FMトランシーバ)でTSSの保証認定を受ける場合、電波形式に"F2D"が追加となり、送信機系統図にその規格を記載せねばならない。
高群 | |||||
1209Hz | 1336Hz | 1477Hz | 1633Hz | ||
低群 | 697Hz | 1 | 2 | 3 | A |
770Hz | 4 | 5 | 6 | B | |
853Hz | 7 | 8 | 9 | C | |
941Hz | * | 0 | # | D |
高群・低群の周波数はfig 1のとおりである。たとえば、"1"という情報を送る場合は、697Hzと1209Hzを同時に送出する。
周波数のほか、信号レベルや信号送出時間等が、有線電話用の規格として端末設備等規則で詳細に定められているので参考にするとよい。
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2004年1月17日 制作 2004年1月18日 修正