STANDARD C501簡易マニュアル

 C501は、日本マランツから販売された144/430MHz帯ダブルバンドFMトランシーバである。
 小型軽量のトランシーバで、重量はわずか160g。出力280mWはいかにも非力な印象を受けるが、キャンプ場やイベント会場での連絡用としては必要十分である。

 特筆すべきは、市販の単三タイプ電池2本で運用可能なこと。マンガン乾電池・アルカリ乾電池はもちろん、DC-DCコンバーターが組み込まれているので、定格1.2VのNiCdもしくはNiHM電池2本でも動作するのだ。
 最近の超小型トランシーバは専用のリチウムイオン電池を使うことが多く、バッテリーが切れればそれっきりであるのに対して、C501は電池の調達が極めて容易。非常用としても有用と思われる。

定格

一般仕様

電波形式:F3E
マイクロホン入力インピーダンス:2KΩ
スピーカーインピーダンス:8Ω
動作電圧範囲:2.2〜3.5V
消費電流:送信時:約280mA, 受信時待ち受け時:約34mA(144MHz帯), 約38mA(430MHz帯)
本体寸法:(W)64mm×(H)29mm×(D)29mm(突起物含む最大寸法)
本体重量:約160g(電池・アンテナを含む)

受信部

受信周波数範囲:144.000〜145.995MHz, 430.000〜439.995MHz
受信周波数範囲(改造後):100.000〜199.995MHz, 300.000〜399.995MHz, 400.000〜519.995MHz, 700.000〜999.990MHz (※)
中間周波数:1st:23.05MHz, 2nd:450KHz
受信感度:-10dBμ(-16dBμ:JAIA測定法)
入力0.5μV時のS/N:30dB以上
低周波出力:約100mW(10%歪時)

※改造後の受信周波数は、LCDに表示される周波数範囲。バンドエッジ付近では、PLLがロックしない。また、アマチュアバンドを外れると感度の低下があるので、実用になる受信周波数範囲はこれより遥かに狭い。

送信部

送信周波数範囲:144.000〜145.995MHz, 430.000〜439.995MHz
送信出力:約280mW(電池3V時)
変調方式:リアクタンス変調
最大周波数偏移:±5KHz
スプリアス発射強度:-40dB以下

免許申請

 免許申請に必要なデータはつぎのとおり。
 技適証明取得機種なので、付属装置などを使わないのであれば、申請書の詳細データ記載は省略できる。

発射可能な電波の形式、周波数の範囲 F3E 144MHz帯・430MHz帯
変調の方式 リアクタンス変調
定格出力 280mW
終段管 名称個数 144MHz帯 2SC3356×3
430MHz帯 2SC3356×3
終段管 電圧 2.8V
備 考 技適証明機種

 

操作系

 スケルチつまみ、テンキーは省略されており、誰でも簡単に扱える。

[MONI]

 モニターキー。スケルチを開放する。[F]と一緒に押すと、スケルチが開放したままになる。

[CALL]

 呼出周波数/VFOを交互に切り換える。

[V/M]

 VFO/メモリーモードを交互に切り換える。

[SC]

 スキャン開始。

[SET]

 セットモードに入る。[F]と一緒に押すと、マイキーに設定したセットモードの機能切り換えになる。なお、初期状態では、周波数ロックとなっている。

[BAND]

 バンド切り換え。周波数拡大改造後は、100MHzバンド→300MHzバンド→400MHzバンド→800MHzバンドが順次切り換わる。

[PWR]

 電源スイッチ。

[F]

 ファンクションキー。他のボタンと併用する。

[L]

 ランプスイッチ。LCDの照明が点灯する。[F]と一緒に押すと、点灯したままになる。

メモリー操作

メモリー書き込み

1) VFOモードで、書き込みたい周波数等を設定する。
2) [F] + [V/M]
3) セレクターを回して、書き込みたいメモリーアドレスを呼び出す。
4) [F] + [V/M]

メモリー消去

1) VFOモードにする。
2) [V/M]
3) セレクターを回して、消去したいメモリーアドレスを呼び出す。
4) [SET]
5) セレクターを回して、表示を"m CLr"にする。
6) [F]を押しながらセレクターを回す。

メモリー内容の変更

1) VFOモードにする。
2) [V/M]
3) セレクターを回して、消去したいメモリーアドレスを呼び出す。
4) [F] + [V/M]
5) セレクターを回して、周波数を変更する。
6) [F] + [V/M]

スキャン操作

 スキャン停止/再開の条件は、以下の3つで、セットモードで指定する。

1MHzスキャン

 その時点のVFO周波数の1MHzの範囲(=MHz以上は変化させない)をスキャンする。

1) VFOモードにする。
2) [SC]
※再度[SC]でスキャン終了。

オールスキャン

 バンド全域をスキャンする。

1) VFOモードにする。
2) [F] + [SC]
※再度[SC]でスキャン終了。

プログラムスキャン

 メモリーされている周波数2つを選択し、その範囲をスキャンする。合計10組まで指定できる。

1.プログラムの指定

1) [CALL]
2) [SC]
3) セレクターを回して、スキャンを指定するプログラム番号にする。
4) [F] + [V/M]
5) セレクターを回して、スキャンを開始するメモリーアドレスを指定する。
6) [F] + [V/M]
7) セレクターを回して、スキャンを終わるメモリーアドレスを指定する。
6) [F] + [V/M]
7) [V/M]

2.スキャン

1) [CALL]
2) [SC]
3) セレクターを回して、スキャンを行うプログラム番号にする。
4) [SC]
5) [V/M]でスキャン終了。

3.プログラムの消去

1) [CALL]
2) [SC]
3) セレクターを回して、消去したいプログラム番号にする。
4) [SET]
5) セレクターを回す。

メモリースキャン

 メモリーされている周波数をすべてスキャンする。

1) VFOモードにする。
2) [V/M]
3) [SC]
※再度[SC]でスキャン終了。

メモリースキャンメモリー

 メモリーされている周波数のうち、指定されたものだけをスキャンする。

1.メモリーアドレスの指定

1) VFOモードにする。
2) [V/M]
3) セレクターを回し、スキャンの対象にしたいメモリーアドレスにする。
4) [SET]
5) セレクターを回し、表示を"mm:oF"にする。
6) [F]を押しながらセレクターを回し、表示を"mm:on"にする。
7) [SET]→LCDの"M"の上に"▼"が表示される。
8) 他のメモリーアドレスを指定するときは、3)から7)を繰り返す。
9) [V/M]

2.スキャン

1) VFOモードにする。
2) [SET]
3) セレクターを回し、表示を"mm:oF"にする。
4) [F]を押しながらセレクターを回し、表示を"mm:on"にする。
5) [SET]LCDに"▼"が表示される。
6) [V/M]
7) [SC]

ブロックメモリースキャン

 メモリースキャンをブロック単位で行う。
 M00〜M09、M10〜M19・・・M50〜M59の6つのブロックごとにスキャンする。

1.設定

 セットモードで、bmS:onとする。

2.スキャン

1) [V/M]
2) セレクターを回して、スキャンしたいブロックのメモリーを呼び出す。
3) [SC]

トーンスケルチスキャン

 オプションのCTN115を取り付けた場合、トーン周波数をスキャンすることができる。

1) スキャンを行う周波数にする。
2) [SET]
3) セレクターを回し、表示をtSqにする。
4) [F]を押しながらセレクターを回し、tSq:onにする。
5) セレクターを回し、表示をCFにする。トーン周波数が表示される。
6) [SC]

 スキャン再開条件は、ポーズスキャン/ビジースキャン/ホールドスキャンのいずれかを設定可能。

セットモード

1) [SET]
2) セレクターを回して、設定項目を選択する。
3) [F]を押しながらセレクターを回して、設定を変更する。

  表示 設定項目 内  容
1 St: 周波数ステップ
  • 5/10/12.5/15/20/25/30/50(KHz)から選択
2 F-St: 早送り周波数ステップ
  • 0.1/1/10(MHz)から選択
3 rPt: 手動でのレピータモード設定
  • oF:レピータモードなし(シンプレックス)
  • on(-表示):マイナスシフト設定
  • on(+表示):プラスシフト設定
4 tSq: トーンエンコーダ/トーンスケルチ設定(要CTN115)
  • oF:トーンなし
  • on(T表示):トーンエンコーダー動作
  • on(TSQ表示):トーンスケルチ動作
5 CF トーン周波数設定
  • 67.0〜250.3(Hz)から選択
6 it レピータ運用時のトーン周波数設定
  • 79.7〜103.5(Hz)の9波から選択
7 OF レピータ運用のオフセット周波数設定[dUP:oF時]
  • 0〜99.995MHzの範囲で設定
7' SP スプリットメモリー専用送信周波数設定[dUP:on時]
  • 送信用周波数を設定。
8 dUP: スプリットメモリー設定
  • oF:オフセット周波数設定方式
  • on:送信周波数設定方式
9 SA: バッテリーセーブ時間設定
  • oFF/1/3/5(秒)から選択
10 APO: オートパワーオフ時間設定
  • oFF/3/6/12(×10分)
11 PL: PTTロック設定
  • oF:PTTロックOFF
  • on:PTTロックON
12 FL: 周波数ロック設定
  • oF:周波数ロックOFF
  • on:周波数ロックON
13 FLCH: 周波数ロック時のセレクター使用設定
  • oF:セレクター使用不可
  • on:セレクター使用可
14 bEEP: ビープ音設定
  • oF:ビープ音OFF
  • on:ビープ音ON
15 rFSqL: RFスケルチ選択
  • oF/1/3/5/7/9から選択
16 bnd: バンド区分選択
  • oF:バンド区分なし
  • on:バンド区分あり
17 m CLr メモリーの消去
  • [F]を押しながらセレクターを回すことで、メモリーを消去する。
18 CH: メモリーアドレスチャンネル表示設定
  • onにすると、周波数は表示せず、メモリーアドレスのみをチャンネル表示する。
19 mm: メモリースキャンメモリー設定
  • メモリースキャンメモリーの指定
20 bmS: ブロックメモリースキャン設定
  • ブロックメモリースキャンの指定
21 Scn: スキャンタイプ設定
  • P:ポーズスキャン
  • b:ビジースキャン
  • H:ホールドスキャン
22 AtrPt: オートレピータモード設定
  • on:受信周波数を439MHz台にすると、自動的にレピーターモードを設定する。

リセット

 電池ケース内にリセットスイッチがあるので、竹串などで押す。


リセットスイッチ

参考資料

C501/C601/C701取扱説明書(日本マランツ株式会社)

     
 

注 意

 本ページは、私自身の備忘録として作成したものです。取扱説明書の"丸写し"は意図しておりませんので、あたりまえのこと、誰でも分かりそうなことは記載してません。
 本ページの正確性については、保証しません。

 
     

戻る


Copyright by Heian Software Engineering (C)H.S.E. 2004 Allrights reserved.
2004年4月8日 制作 2004年5月10日 修正