2008年1月7日、長らく愛用してきたNTT DoCoMoのPHSサービスがついに終了することになった。
ひとつの端末で、職場では内線子機、通勤途中は移動電話機、そして、自宅ではコードレスホン子機としてシームレスに使える便利さはPHSならではのもので、私は高く評価しているのだが、残念ながら一般消費者には受け入れなかったようだ。
サービス終了をまえにして、DoCoMoでは、PHSユーザーに無償で携帯電話(FOMAまたはmova)に移行できる措置をとったが、どうしてもPHSを使い続けたい利用者には、これまでライバルであったWILLCOMへの移行を案内した。WILLCOMの端末(DoCoMoが指定するものに限る)を無償で配布したうえ、同じ番号をそのまま使える(同番移行)という粋な計らいである。
2007年12月上旬、私のもとにWILLCOMから新しい端末が届いた。主として法人向けのWX220J(JRC製)だ。新しいPHS端末を手にするのは本当に久しぶりで、正月休みに楽しく(?)遊ばせていただいたのでレポートする。
PALDIO632P vs WILLCOM WX220J |
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いままで使ってきたPALDIO632PとWX220Jを並べてみた。 液晶表示が大型化しているため、高さ・幅ともにWX220Jのほうが大きい。 同番移行を希望したので、PALDIO632PとWX220Jに同じ電話番号が書き込まれているのが分かる。(電話番号の一部はマスクしてあります) WX220Jは既にWILLCOMの電波をキャッチしていて、アンテナマークが表示されているが、2007年1月8日午前8時まで発信・着信ともにできない。 |
WX220J 内線登録 |
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登録開始時の画面
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WX220Jは、事業所用コードレス(DoCoMo流の言い方だと"オフィスステーション")の内線端末として使える。 DoCoMoのPALDIOシリーズは、3つの内線番号を登録できるものが多かったが、WX220Jは10もの番号を登録できる。 いわゆる『自営2版』というプロトコルに対応しており、私が試したところでは、NECのIWX70やP-link機能を持つPALDIO632Pにも子機として登録可能であった。 ただし、IWX70やPALDIO632Pは『自営3版』と呼ばれるプロトコルに準拠した親機であり、WX220Jを子機登録した場合、着信時に複数の端末を鳴動させる動作は不可能なので注意を要する。 ■登録方法
WX220Jの操作と同時に、親機側の操作も必要である。詳細はこちらを参照のこと。 内線番号:91、暗証番号:1111、オフィス番号"6"で登録動作中の様子を左に示す。 登録に成功すると、画面にその旨表示される。登録に失敗した場合は、電源を切って最初からやり直す。
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WX220J 内線登録解除 |
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個別消去画面
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DoCoMoのPHS端末と異なり、登録解除は子機単独でOKである。 ■登録解除方法
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WX220Jでmoperaにアクセス |
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632PにWX220Jを子機登録し、WX220JからP-link機能を利用してmoperaを介してインターネットに接続しているところ。 DoCoMoの64Kデータ通信はギャランティー方式(PIAFS Ver2.0)、WILLCOMのそれはベストエフォート方式(PIAFS Ver2.1)である。 WX220Jは、ギャランティー方式の64Kデータ通信にも対応しているので、こんな芸当も可能である。 |
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moperaを介して、私のhttpサーバにアクセスしたところ。
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PALDIO632PでWILLCOM契約 |
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モバイルメディアラボ梅田
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DoCoMoのPHSサービスが終了してしばらく、職場/自宅専用端末となったPALDIO632PとWILLCOM専用のWX220Jを併用してきたが、やはり面倒なので、PALDIO632PにWX220Jの番号を移すことにした。 とは言え、PALDIO632Pには、DoCoMo時代の番号が残ったままで、このままではWILLCOMの端末としては契約できない。 そこで、まず、大阪キタのモバイルメディアラボ梅田に行って、PALDIO632Pから電話番号を消去して貰う。作業は15分程度で完了。もちろん、手数料は不要である。 いわゆる白ROM状態となったPALDIO632PとWX220Jを持って、すぐ近くにあるウィルコムプラザ梅田に出向き、WX220JからPALDIO632Pへの持ち込み機種変更を依頼する。 恐らくはあまりない特殊な注文だろうから、ひと悶着あることを覚悟していたのだが、ウィルコムプラザのお姉さんは顔色ひとつ変えず、淡々と作業をしてくれる。 外見上、PALDIO632Pに表示される電話番号はDoCoMo契約時代と変わらないが、今度はWILLCOM契約の電話番号。圏外表示が消えて、普通に発信・着信が可能になった。 WILLCOM契約となったPALDIO632Pだが、通常の音声通話はなんら問題なく使用できる。 ただし、DoCoMo独自の高速ハンドオーバー機能であるteraと、WILLCOMのそれ(H''またはツインウエーブ)は互換性がないので、通話中に移動した場合のハンドオーバー動作は非常にまどろっこしい。 データ通信については、32K PIAFSは問題なく通信可能。64Kは、PALDIO632Pがギャランティー方式(PIAFS Ver2.0)、WILLCOMの基地局はベストエフォート方式(PIAFS Ver2.1)対応なので、使用できない。 P-link機能もそのまま使用可能だが、データ通信は32K PIAFSに限られる。 ホームアンテナ機能は、DoCoMoのネットワーク特有の機能なので、WILLCOM契約化すると、設定メニューにすら現れない。 |
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制作:2008年01月02日 修正:2008年05月05日